舞台・哀しい予感

いま、みおえて、急いで広島に帰っているところですよ。日帰りなのでね。
ああ、よかったなぁ、予想以上によかった!
あの、ゆきのさんの家のセットを見た瞬間、「うんっ、いけるっ(・∀・)b!!」と、シノブ・モリタなみにガッツポーズが出ました。
後頭部くんこと加瀬ちんはもう…言わずもがなですよ奥さん!!
私、席の関係で、真横で加瀬ちん凝視したもんね!えっへん。わ、私の頭のうえで台詞しゃべってるYO!
手を伸ばせばそこに加瀬ちん…(;゜∀゜)=3ハァハァ な状況でしたが係員に連れ出されるのはやなので、ぐっと我慢しましたよ。
詳しい感想はまた後日!


何がよかったって、まずは「舞台美術・衣装・音楽」!
原作の『哀しい予感』、初読はもうかれこれ十数年前のことなのですが、そのときからずっと、登場人物はもとより、ゆきのさんの家とか弥生の家とか、原作の情景すべてを自分なりに思い浮かべてきたんだよね。
その思い浮かべたものが、目の前にある!っていうことがまずうれしかった。
まぁ、そりゃあね、思い浮かべてたものがそっくりそのまま、ってわけじゃあ、なかったですよ?
でもよくあれだけのものに凝縮させて、舞台上にあらわせるなぁ!とびっくりしたのです。すげぇなあ、プロって。
あの、ゆきのさんのピアノの上にかけてあるカバーとか・・・「そうそう、そういうのがかけてあるに違いないって思ってたよ!」とむせび泣きそうになるような。色とか、かたちとか。
衣装も(特に弥生)ものごっつかわいくて、「ああ、ばななさんが好きそうな服だ」とも思いましたよ。ばななマニア的にはね。別荘にいるときのみどりいろの服、好きだなぁ。でもあれ、美日子さんが着てるからかわいいんだよな、ってことはいくらばかな私でもわかっていますよ?
一番すげぇ!と思ったのは音楽。つくづく思うんだが、ミュージシャンとか作曲家の人たちって、どうしてこうぴったりと物語に寄り添うような音楽を作れるんでしょうねぇ。どこからその才能は生まれてくるのだ?!私には到底無理だ。しかも、同じプロの作るものでも、ひとつ間違えれば全てを台無しにしてしまうことだってあるし、逆に感動の波をより大きくさせることもある。おもしろいものだ。
役者。
「弥生=美日子さん」の配役を聞いたときはちょっと「イメージと・・少し違う・・・」感があったのですが、どうしようもない不安感とか、行き場のなさとかがそこはかとなくにじみでていましたよ。たえず服のすそをぎゅっと握ってるのがかわいかったな・・・。時々笑う顔がまた、キュートなのよねぇ!
ゆきのさん。ばななさんが「こわい顔をしている藤井さんはよりいっそう美人。」と日記で書かれていましたが、そのとおりでした。ゆきのさんのわけの分からなさ、藤井さんのお顔だとなぜか納得してしまうという・・・ゆきのさんは一番難しい役だと思うがとてもがんばってらしたと思う。ゆきのさんの持つ、陰の魔力みたいなものが伝わってきてぞくぞくっとする場面もありました。
正彦くん。ああ、なんてかわいい!!ゆきのさんの授業の話をするとき、まさかあんな実演つきでしてくれるとは思わなかったので、母のように微笑んでしまったことよ。そして、始終プルプルプルプルしてるのを見て、某スズキさんを思い出したのは私だけであろうか。きっとそうに違いない。
そして鉄男・・じゃないや哲生・加瀬ちん!あんたほんとにover30?!と客席の誰もが感じたであろうその溌剌とした若さはいったいどこからやってくるの?教えておじいさん!(ハイジか)もっとこう、しずかーな感じしかイメージしてなかったので、こんなにパワフルでピースフルな加瀬・哲生になるとは思っていなかったよ。加瀬ちん、奥深し。しかも、まぁ、なんでしょうこの、ふつふつとわきあがる「ちきしょう、おまえ、抱きしめたいぜ!」的な感情。巨大すぎる犬小屋に入ってしまう哲生、「やっぱマックうめーよなー」哲生、オレンジダウンジャケットの首の部分から顔だけ出し「ヘンないきもの」と化す哲生もとい加瀬ちん・・・ううぅ、かわいいぞかわいすぎるぞ!!萌えメーターが振り切れましたよ、まったくもう。フシュー。それなのに抱擁&キスシーン、および「ちがう、逃げるな」以降のシーンの美しさといったら!!!あうあうあうあーーー。涙ちょちょぎれちゃったYO。「わからないままでいいことなんてひとつもない」ということばを弥生ではなく哲生の口から言わせてて、原作大好きなものとしては「えっ!!?」と思いましたが加瀬ちんの声でそれが聞けたんだからいっか、となんともあほな結論にたどり着きました。いやー加瀬ちんが哲生をやってくれて本当によかった。