最高

今日夜は学校だったのです。家に着くのは22時。マイル予選は21時から。成きゅんが走るだろう、と思って録画予約をしておきました。授業が終わり、帰りのバスの中で携帯のワンセグをつけると、ちょうど日本選手がグラウンドからひきあげていくところが見えました。「あ、マイル終わったんだな」と思っていたら、その選手の中に見覚えのあるぼうずっくりな背の低い人が。
「だだだだだだだだだだいさん?!!」
それはどうみても為末大、そのひとでした。マイルを走ることはまったく予想していませんでした。
はやる気持ちを押さえつつ、帰宅し、まだ四継がはじまらないことを確認し、ビデオを見ました。
「おや?為末ですか?為末がいますね」
解説のかたでさえ知らなかったようです。直前にメンバー入りが決まったのでしょう。なんだかわけがわからないままレースはスタートしました。
マイルリレーで走る侍を、初めて見ました。もう足は限界のはずです。しかも直前に出場が決まったのですから、調整もうまくできていないはずです。しかし、必死にくらいついて走る為末大はやはりかっこよかったです。だれよりも。
そして、ヨンパーのレースの状態から見てもかなりつらい状態であるはずの成迫くん。最後まで諦めませんでした。
個人のレースに出ていない安孫子くん、堀籠さん。このレースに全てをかけて、北京へ入ったと思います。
結果は予選落ち。
レース後の4人の涙。
私は一生忘れません。
そして、「北京で走る為末大」のすがたをまた見られたことは、いちファンとしては本当に嬉しかったのです。本人としては悔いが残るレースだったかもしれない。でも、30分前に急遽出場が決まったとはとても思えない走りでした。全力を尽くしてくれたあなたを本当に誇りに思います。ありがとう。ありがとう。
そんなこんなですこしぼーっとしながら待っていたら、あっというまに四継がはじまりました。
塚原くん、末續くん、高平くん、そして朝原さん。
やってくれました。ついに、ついにやってくれました。
「銅メダル」なんてひとことで片付けられない快挙ですよこれは。
これまでの日本陸上界に携わる全ての人たちの夢が叶ったのですから。
多くのひとたちの思いを全てのせて、走りきってくれた四選手に心からの祝福を。
レースには出ていないけれど、リレーメンバーのサポートをし、支え続けた齋藤くんにも。
それから、リレーメンバーといつも一緒にいて、喜びも苦しみも一緒に味わってきた為末さん。前の日までリレーメンバーのミーティングに一緒に加わり、夜遅くまでずっと話をしていたという為末さん。きっと、自分がメダルを取るよりも嬉しかったと思う。スタンドで応援する日本選手団の中、人目も憚らず、こどもみたいにわんわん泣いている為末さんをみて、一緒に泣き笑った。もう、ひとをどこまで泣かせれば気が済むのあなたは!とね。
最高の一夜でした。ありがとう!!ほんとうにありがとう!!陸上競技は最高だ!!