彼女について

彼女について

彼女について

「君の幸せだけが、君に起きたいろんなことに対する復讐なんだ。」
読みすすめていて、もしかして、と思ったらやっぱり思っていたとおりの展開になって、ぞわっとしたけれど、それと同時にいろんな感情が渦になっておそってきて、涙がひとつぶ出た。
ばななさんの処女作「ムーンライト・シャドウ」を読み終わった時のあの感じに似ているな、とも思った。だから、帯に書いてある「ばななワールドの新境地」ではなくむしろ私が思ったのは、「この人が書いていることは、ずっと前からなにひとつ変わっていない」ということだ。そのことがいつも私をひどく安心させるし、少女の頃からばななさんの本を読み続けている理由のひとつなのだと思う。私にとってはすごく、信頼のおける作家です。