「苦労人」観劇記

さて、無事東京は三軒茶屋まで広島県人がたどり着き、いってきました猫のホテル本公演「苦労人」。
今回は友人・仁様(東京在住の人妻)を誘って観劇。仁様ほんまにありがとう、いろいろ。


わたくし実は、変な妄想を抱いて今回シアタートラムにやってきたのであります。
「もしかして、堺さんがぴろりつながりで猫ホテ公演見に来るんじゃないかな?共演者の方が出てる芝居をよく見にいってるみたいだし。今日見にきてたらどーしよー(≧∇≦)キャッ☆」と。
でも私も大人ですから(←若干の嘘・偽りあり)すぐにそんなバカな、都合のいいことがおこるはずがない、と思いましたよ。つーか、あくまで今回の目的は猫ホテメンバーをがっつりかぶりついて見る(今回席が二列目でした)ことであります。いつも耳元ランデブーで楽しませていただいてる彼ら、実際に見たらどんなお芝居をするんだろう?とわくわくどきどきでやってきたのです。
開園10分前にばたばたと劇場内へ。トイレにいっとかないとね、と用を足し、トイレをでたところで仁様がぽつり。
「さっき、さかいま・・を見た気がするんよね」
さかいま・・という部分がよく聞き取れず、おっちょこちょいでおばかな私は何を血迷ったか(えっ?!さかいまさと?!)と思い「えっ?!ま、まじでー?!!」と言いました。
「ほんまに?!ほんまにきとるん?!」(意:ほんとに来ているの?)と興奮気味の私は客席にイン。席に着いて、うしろのほうをちらちら。するとそこに、


ほんとにさかいまさとがいた。


銀縁のメガネをかけ、黒のアウター(スタンドカラーっていうのか?)をきて、髪にパーマが軽くかかってて、顔がちっさくて、なぜか鋭い目つきで真剣にパンフレット(フライヤー)を読んでいるうつむき加減の堺さんが。
私「ほんとだ・・・堺さんがいる・・・かっ・・こいぃ・・・(恍惚)」
仁「はっ??!!」
仁様は始終、「さっきからなにこいつ、興奮してるんだろ」と思ったことでしょう。なぜなら(よくよく聞いてみると)仁様がさっきから言っていたのは「さかいまき」さんのことだったからです。トイレ内の鏡ごしにメガネをかけた坂井真紀さんらしき女性と目が合ったんだ、と仁様は言います。
仁「おかしいなーと思ったんよね。あんた、坂井真紀がそんなに好きだったかと思ってさ・・でも堺さん?どこ?」
私「あの・・うしろの・・黒い服着て・・・メガネかけてて・・・いまパンフレットを真剣に見てる・・・」
仁「(しばらく探して)・・・ほんまじゃ・・・」
そこからまさに大興奮なオレたち怪しい2人組。
仁「あんた、よく見つけたね。言われなかったら私は気づかなかったと思う。だってげーのーじんオーラ消してるし・・地味だし・・(コラ」
私「いや、仁様に言われてなぜか誤解して探さなかったら絶対探せなかったと思う、あと少しで客電落ちるし」
仁「私のおかげだね!ま、私が言ってたのは坂井真紀のことだったんだけどね!」
私「あははは、おっちょこちょいだな、オレ!・・・でもほんとに堺さんがいるとは・・どうしよう?!どーしよーー!!!(プチパニック)」
仁「ど、どうする?!声かけてくる?」
私「いや・・開演間際だし・・劇場内ではちょっと・・ああっでも声かけたい!!うおおおお!!(発狂寸前。でも小声です一応)」
あわあわしているあいだに音楽がかかりだしました。客電もじょじょに落ちていきます。いまだ興奮・錯乱状態の私。どうしよう・・芝居が終わったらダッシュで近づいて声かけるか・・?でも同じ空間で同じ芝居見てるってだけですごいよな・・ああもう、芝居に、ぴろりに、集中しろ、オレ!と心臓バクバク。
しかし、つぎつぎあらわれる男たちの裸(ふんどし一丁)にそんなことも忘れました。あーもう近すぎるよ!!裸!!尻!!男性陣ひとりひとりがあらわれるたびにおっかしくってしょうがない。いちばんびっくりしたのわたるんの肉体。さすが体脂肪3%。骨、皮、筋肉ってかんじ。でもなんといっても私はやすてるの体つきが好きだなぁ☆とオモタ。どこを見てるんだ、オレ。
芝居の内容については他サイトや千葉さん・てつぴろなどが語っておられるとおりなので言及はしませんし、なんたって観劇初心者なので劇評なんて書けませんから、俳優陣について少しづつ。
やすてるはまげかつらが超お似合いでときどき長瀬ともやとみまちがえた。いたいいたい、自分がいたい。でもうふふ、ほれなおちたね。東北訛でしゃべるシーンはさすが。おかきをくちゃくちゃぼりぼり食べるシーンの顔がなんともステキだった。アホ面まるだし!
わたるんはなんであんなにおもしろいの、ひとつひとつの動きが!特に馬・・・腹が痛かった。痙攣をおこしかけました。でも山城信介のワイルドさ、ほれたなぁ。意外と政治家秘書役(中川)も神経質そうなんだけどどこか抜けてる、ってのがあってていい。
いけしんはけっこう私の好きなタイプのひとだということが判明。ただ写真うつりと頭が悪いだけなんだな!(ド失礼)茶髪でくちゃくちゃしたしゃべりかたの現代っ子もけっこういけるんだね。野生児ってことばが最も似合うひとなのに!ごんぞは地だな。
えいじすばらしかった。バテレン宣教師なんて似合いすぎ!顔とか、しゃべり方とか。山城権助は若いころから年老いてへの変化にどきり。「おもさげながんす!」(長さんの「おいっすーー!!」の時のようなかんじで腕を伸ばして言う)あれ、えいじがやるからおもしろいんだよなあ。
まゆみさんはうますぎる。見ていて、ぞくぞくした。妙な色っぽさがあって。もっと見ていたかった。「とうっ!」とぴょんぴょんとびはねたりして超キュート。いけしんをかついでてみなに「おぉー」と感嘆されていた。今度は主役をされているのを見てみたい。
まことさん、いいなぁ!出てくるたびに場がきりりとしまる。坂田の父親のときの顔はどしたんだ、ってくらいおもしろかったけど、狂気にも似た相手への追い詰め方に脱帽。着流しと長髪まげがよくお似合いでした。仁様もお気に入り。「搾乳!」
しんぺーさんはあの姿がもうすでに反則だな。なにやってもおかしすぎるもん。ホンガン叩きの場面、各メンバーの暴力が日々エスカレートしているようすが、しんぺーさんのきずだらけのからだを見てわかりましたよ・・・。死体の役は一生忘れられない名珍場面だ。仁様は「あの、中川家のひと」と言っていた。納得。
ガンツさんはとりあえずなに言ってんだかわかりません!(激笑)口が立つしんぺーさんにおされて「うわぁーーん!」となるところがカワユス。びっくりしたのがおばちゃん?おばあちゃん?役。いいなあ、ほほえんでるだけでいいよ。すてきだよ。
千葉さんは美人。すれっからしな昭和女性がはまっててgood。なんといってもこの超個性的なメンバーをまとめる座長、ってだけで尊敬するよ。まさに猛獣使いだ・・・。「真心一座 身も心も」公演もみてみたいなぁ。
そしてぴろり。腹はちとやばいがスタイルのよさ(パンツスタイルがとってもさまになるナイスガイ)はばつぐん。しんぺーさんの口をうしろからぺろりーんと色っぺー顔でやってたのがおかしすぎて勘弁してくれ!であった。三木啓介ラストの台詞「地だな!」に感動。これで物語がつながった、という感じがしましたよ。三木啓介のうた、CD化求ム。はっ、某ディ○ニーにつぶされるか・・・?


カーテンコールがおわり、あっさりと終劇。
ふうっとひと息ついて、後ろを振り返る。お客さんが立っていて見辛いけれど、堺さんが座っていたあたりをみるも、堺さんの姿は見えず。あー、さっと席を立たれて出てしまわれたのかしら・・・と思う。
どうしようかねぇ、とロビーに出てみる。浅野和之さん(超ダンディ)中井美穂さん(けっこう小さいかた。美人)のおすがたは発見。うろうろしてみるも、やはり見当たらない。
「外に出てタバコ吸ってるかも?!」と思い劇場外にある喫煙場に行ってみるもおられず。
いったんはあきらめかけ、駅に向かおうとしたのだが、仁様のアドバイスもありもう一度劇場内ロビーへ戻る。
物販コーナーを見つつ「どうしよう、イケテリックTシャツ買おうかなー」「ブロマイドいいなぁ」と思っていた、その時!!!(世界まる見え風に)
目の前に堺さんがあらわれた!!!(そ、そんな、RPGのモンスター登場じゃあるまいし)
・・・こういうとき、ひとって本能のままに行動するものなのですね。ワタクシ、頭の中はほぼまっちろけっけでしたけど、すさっと動いてましたよ。「声かけなきゃ!!」という気持ちだけで行動。
さっと堺さんの前に行き(ロビー内そんなに広くないので数歩歩いた程度)、「堺さん!」と声をかけました。けっこう声でました。
「はいっ」目を万マルク・・いやまんまるくして、ちょっとびっくりしたような顔で、しかしさすがにものすごいいい声でこたえてくれましたよ。
私「あの・・・いつも、見てます!」
堺「ありがとうございます」(すこし目を伏せてぺこり)
私「あ、あの、握手していただいてよろしいですか?」
堺「はい(やさしいまなざし)」
うっ笑顔がまぶしい…と思いつつ握手していただく。あっ美しい手をみるの忘れてた。握手するのに精一杯で。でもとてもあたたかな手でした。
その間に仁様が「この子はもうほんとに大好きなんですよ」というフォローをいれてくれるも、ちょうどそばにお知りあいの方?が通られ、会話を交わされたので、あんまり聞こえてなかった模様・・・。
「ありがとうございます、がんばってください」
それだけ伝えると、にっこりされて、女性の方(マネージャー?事務所のひと?)と劇場をあとにされました。
堺さんのうしろすがたを見つめながらひざが抜け落ちる私。仁様に「あんた、すごいね!よくいったね!」と褒められる。ほんとだよ。よくやった、オレ。自分で自分を褒めてやりたい。
そして、ほんとーにいけないとは思うんですが、少しだけあとを追ってみました。出た!ストーカー!お縄ものだ!!どこ行くのかね、もう帰るのかね、と仁様といいつつ、距離を保ちつつ見守ります。しかし私は興奮してるのですこし近づきすぎて「ばかっ!!バレるだろ!!」と仁様に注意されたよ。
結局、おふたりとも劇場そばの居酒屋(仁様が昔行ったことがあるらしい。おっちゃんたちが行くような、かなりフレンドリーな店らしい。)に入られた模様。今からぴろりたちと飲みかしら?と想像。
満足した私は、仁様に連れられ渋谷に移動、祝杯をあげました。生ビールが激うまかった。ていうか今ならどんな失礼なこと、嫌なことされても皇族の方なみに笑って受け流せると思った。右から左へ受け流す。それはムーディ勝山


堺さんの印象。

  • とにかく顔が小さい、色が白い、細い、かっこいい、ステキ。あと、気品にみちあふれています。とりあえずあの「はいっ」のときの顔が忘れられません。ちょ、あんた、かわいすぎ(;´Д`)と脳内で思いましたよ。あんな33歳がいていいのか!いいんです!(ドキッパリ)
  • 「にやにや」ってか「きらきら」していた。(仁さまには「それはお前の目にヲタフィルタがかかってるからさ」と言われたが)
  • 手提げタイプの鞄(色はベージュ?白?)を持っていた。けっこう荷物が入っていそうだった。当然本が2冊は入っている模様。
  • 舞台・テレビ等で見るのとは違い(なんかかくかくしている印象)、歩き方が普通だった。つーか「すっ」としていてかっこよかった。なんだよ「すっ」って。ああ本当に語彙力がなくてごめんなさい。ノーボキャブラリーー!!(村上わたるん)
  • 普段はほんと、ふつうのひとなんだな、って思いました。あたりまえのことなんだけど。いい意味で、ほーんとふつうの方でした。それが、なんか知らんが、嬉しかった。
  • いってみればプライベートな場であるにもかかわらず、すごくやさしく対応をしてくださって、大感激でした。

というわけで堺さんへの愛がこれまで以上に増しましたよ。どうしましょう、もうひきかえせません、この道を。せめて、日常生活くらいはまともに生きていきたいと思います。人の道からはそれぬように。「山南先生は、人の道に背いたわけではない・・・」(by山崎烝)ということばをしっかり胸に刻みますわ!!(かなり意味不明)


と、このように、極めて低い確率だったのに、妄想していたことが現実となりました。
めったにいかない(いけない)東京で、はじめて行った猫のホテル公演で、この、今日という日に、他の誰でもない、私が今一番敬愛してやまないお方を見かけ、間近に会えたこと。
こんな、奇跡のような偶然がおこっていいのでしょうか。
でも、こんなこともあるんだなと、いまだに呆然としながら思います。
願いは叶うものだなぁ。
人生、諦めなくてほんとーによかった。
「たかが27年の人生で、何を大げさな」と言われるかもしれませんが、ここ数年本当にどん底にいたので、かれこれ5回くらいは「もういいや、自分の人生なんて」と本気で考えたんですよ。生きていかなくちゃならない、ということが本当につらくて。まぁ、所詮逃げなんですけどね。弱い人間ですから。
でも、生きていれば、いいことも悪いこともおなじくらいある。そしてときには、びっくりするくらいステキなことがおこる。そう、生きてさえいれば。
そういうあたりまえのことを忘れていましたよ。諦めてはいけない。生きている限りは。どんなことも、おこりえるよ。誰よりも自分に、そう言い聞かせたいです。
皆さんにお礼を。
誰よりもなによりも堺さん、ありがとうございました。ずっとずっと、大好きです。愛しています。誰よりも。
猫のホテルの皆様も、すてきなお芝居をありがとうございました。また見に行きます。
そして仁様、ありがとう。あなたがいてくれて本当によかった!


余談1:うかれてたら、飲みのかえりの五反田駅で、階段からおちかけました。爪割れました。しっかり歩け、自分。
余談2:堺さんにお礼の手紙とは名ばかりのファンレターもといラブレターを送ってしまいました。キャ☆年甲斐もないぞ!自分!