「文・堺雅人」を語れ

みなさんお手元に届きましたでしょうか?

文・堺雅人

文・堺雅人

私はいま家に二冊あります。これは、「堺さんのファンだから二冊買っちゃうぅぅぅ!!」というわけでは決してなく、ガチでセブンアンドワイで予約してたのを忘れ楽天ブックスでも予約してしまったというただのアホです。いいんです。一冊は友人にあげるから・・・。
手にとられているかたはよくお分かりかと思いますが、このこじんまりとしたサイズ、楚々とした装丁、丸っこい題字、凝った帯・・・どれをとっても「堺雅人」ぽくて大好きだ。ああ大好きさ!!あと、もっと写真たっぷりかと思いきや「文章で勝負!」的なつくりがだてに九州男児じゃないぜ、な彼の心意気を感じられていいです。しかしそんななかにも初公開写真も(白黒だけど)けっこうあったりしてナビエッセイ全部もってる私もうはうはしました。私的ツボは、「クランクアップ時はいつも超笑顔」な写真たちですた。特に「ジャンゴ」クランクアップの写真が大好物です。大好物?
で、肝心の中身ですが、かなり加筆修正加えているんですね。びっくりしました。ためしに第一回「髭」をくらべて読んでみよう。

役で髭を伸ばすことになった。
生まれて初めてのことで、どうも慣れない。ひと月近く経った今でも寝起きに鏡を見るとギョッとする。泥棒かと思うのだ。
舞台『喪服の似合うエレクトラ』は南北戦争時代のアメリカの話で、僕は負傷した北軍兵士の役だ。
ボロボロの軍服に身を包み、頭に包帯をぐるぐる巻くと何とかサマにならないでもないのだが、上演を終えて私服に戻ると、どうもしっくりこないような気がする。まあ、本人が気にしているほど周りはなんとも思っていないのだろうが。
(ナビ版)

ヒゲをのばしている。
『喪服の似合うエレクトラ』という舞台のためだ。南北戦争時代のアメリカのはなしで、負傷してかえってきた若い北軍兵士、というのが僕の役どころである。
舞台のうえでは、ボロボロの軍服に身をつつみ、アタマに包帯をまいている。そうした格好だとヒゲもなんとかサマになる気もするのだけれど、上演をおえて私服にもどると、なんだかどうもシックリこない。こんなに長いあいだヒゲをそらないのは生まれてはじめてのことだ。朝、コンタクトレンズをいれていない目で鏡をみると、ひと月ちかくたったいまでも毎回ギョっとしてしまう。まあ、本人が気にしているほど、まわりは何ともおもっていないのだろうが。
(単行本版)

ね?すごくない?このあとももちろん「つーかこれもう別のものじゃん」的に変わっているのですよ。この忙しいときに、こんなに加筆修正をしているなんて・・・(´Д⊂ヽとアタマのさがる思いです。
それだけ、雅人様にとってもこの「初・単行本出版」というのはおおきかったんだなあ、と感無量。「売れろ!」とは言わないけれど、より多くの人に彼のたましいがこもったこの本を読んでほしいと、心から思うのです。えっとね、私のちなみにおすすめ回はね、「霊」と「始」ですよみなさんぜひどうぞ。「始」はまえがきにかえて、ということで今回新たに執筆されているのだけれど、もうすばらしい内容。小説?これは小説なの?と思うのよ。つか「始」を読んであらためて、「堺雅人の小説が読んでみたい」と思った次第。だれか、彼に小説執筆をオファーする編集者はおらぬのかーーー!!なんなら私がオファーしようかーーー!!と意気込んでおる。だれか止めてやれ。